モノづくりの原点を見直すioriプロジェクト ～陶器は生きている～

雑貨屋さんや百貨店で手にする陶芸品はほんの一部であることはご存じですか？これらはまず、工場が注文を受けてからテストやサンプルの作成を何度も行います。そこから完成した商品の中から、厳しい検品をクリアしたほんの一握りの美品だけが各地で売り出されているのです。ioriが問題視しているのは「無謀なテストやサンプルの製作」そして「陶器本来の姿を否定するほどの過度な検品」です。ioriの示す「過度な検品」ではじかれるモノは、釉薬のかかり具合や還元の仕方が面白かったり、土の中の鉄分がほくろになったりしたものです。使えるのに、陶器本来の個性でありその違いがオリジナリティとして評価されるべきモノであるのに、「売り場に一括りの商品として陳列できない」という理由で不良品扱いされてしまうのです。とても残念に思い何とかしたいと思ったのがioriの始まりです。私自身小さいころから陶器工場を営む祖父母らがこの難題に嘆く姿を近くで見てきました。どれも世界にひとつのオリジナル製品であり、むしろ陶器の奥深さを感じられる素敵な作品です。きっと欲してくれる、気に入ってくれる人がいる。だからこそ、もっといろんな人に手に取ってもらうべきだと考えています。窯の中での様子を自分なりに思い浮かべながら使うと何とも言えない愛着に溢れます。ioriは無理なテスト、サンプル作成を行わず確実に味を生かす小規模ロットでの作成・販売を行っております。全く同じ顔を持つ人や動物がいないように、陶器も全く同じものは存在しません。焼き物は生きていると言っても過言ではない。ioriのモノづくりの原点を見直すプロジェクトから皆様がモノづくりとは何かをもう一度考えていただけると幸いです。